2005年
10月29日(土)

ブラジルの農園視察の続きを書きます。
最近は生産者もおいしいコーヒーを作ればそれなりの価格で買ってもらえる環境があり、また要望も増えていますのでここ2、3年で急激に変わってきました。
大きく変わった点に収穫があります。今迄の収穫は、収穫時期になりますと町までバスを走らせ、人集めに苦労し、彼らは麻袋、一杯でいくらと価格が決まっていますので、枝を根元からしごいて赤い実も青い実もおかまいなしに早く袋にいっぱいのコーヒーを詰めようとします。葉っぱも取られるため、コーヒーの木がダメージを受けやすく弱ってしまいます。
最新の収穫方法は、大型収穫機を使います。人集めの苦労がいらず、効率よく、しかも木を痛めません。高さが5mぐらいあり、コーヒーの木をすっぽりとまたぎ、無数の振動を加えたプラスチックの柔らかい棒でコーヒーの実だけを落とします。赤い実は簡単に落ち、青い実は硬いのでなかなか落ちません。この機械を開発したのは日本人で大変に苦労したそうです。ちなみに一台3000万円です。
そして収穫されたコーヒーは網の上に4日間乾燥され、それから大型の乾燥機で24時間40度の熱で均一に乾燥され、出荷まで保管されます。以前は、収穫したコーヒーは全部混ぜられ、良いものも悪いものも一緒にして精製してましたが、今はとても細かく分けられます。まず、品種ごとにムンドノーボ、ブルボン、アカイヤ、カツアイなどと分け、比重選別機にかけ、未熟豆と完熟豆とに分け、スクリーンにかけ、豆の大きさを揃え、自動選別機で欠点豆を取り除き、それぞれ別々のサイロに保管され、製品として出荷を待ちます。
当店の契約農園は、年間15000袋収穫されますが、スペシャルティーコーヒーとして収穫されるコーヒーはわずか500袋です。来年は2000袋に増やすと言ってました。農園主に来年はもっと買うので、すばらしいコーヒーを作ってくださいとお願いして別れました。収穫されたコーヒーは組合に運ばれ、ここでカッピングしてお客の要望のコーヒーを出荷します。
以前のカッピングは欠点がどのぐらい出ているかをチェックするだけで、おいしさのチェックが全くありませんでしたが、今はSCAA(アメリカスペシャルティーコーヒー協会)のカッピングシートを使い、おいしさを点数にして消費者にわかる物差しが出来たため、生産者も消費者と一緒になっておいしいコーヒーが作れる環境が出来ました。80点以上がスペシャルティー、70点から80点がプレミアム、60点から70点がスタンダード、60点以下をトリアージュに分けられます。
カッピングの仕方はグラスに中細挽のコーヒーを入れ、この状態で香りを嗅ぎ、お湯を入れてこの状態で香りを確認して、ブレイク(スプーンで3回かき回す)します。上の粉や泡をきれいに取り、スプーンで強く液体を吸い、口の中でころがして吐き出します。甘みや酸味の質、ボディーやアフターテイストなど10項目に採点して合計点を出します。このカップテスターの資格はワインよりむずかしいと言われ、現在SCAA公認のカッピングジャッジは約200名で、もっと増やそうと日本で一回目の養成セミナーが来月開かれます。合格率はかなり低いようですが、どなたか挑戦してみてはいかがでしょうか?7日間の講習で費用は42万円です。

収穫機械です。白い羽でコーヒーの実を落とします。

長さ200mの棚干し乾燥場。この網の上で4日間天日乾燥され、その後機械乾燥します。

大型の乾燥機。豆の乾燥状態を均一にするため機械で24時間を40度の熱で乾燥します。

高く積まれたコーヒー生豆。品質ごとに分けてあります。

比重選別機。完熟豆と未熟豆とに分けられます。

出荷風景。大型トラックに載せてサントス港まで運びます。それにしても空が青い!

農園主のルバウド デラリッサとワイルド店主 天坂信治

カッピング風景。

昔は60kgのコーヒー豆を5袋も担ぐ人がいたようです。ビックリ!





2005年
10月21日(金)

16日にブラジルから帰ってまいりました。
ニューヨーク経由でサンパウロまで24時間、機内食を4回も食べました。時差が12時間で本当に遠い国で、帰国してから、時差ボケがひどく、毎日、午後3時頃になると眠気に襲われ、午前3時頃に目がパッチリ冴えて困りました。

今回のブラジル行きのテーマはミナスジェライス州セラード地区の農園視察とワイルド契約農園のニュークロップのカッピングです。
このセラード地区は開発が始まったのは1975年、当時の首相、田中角栄氏がこのセラード一帯を農業と畜産を柱に一大事業を日本が援助することにより開発が始まりました。最先端の技術と機械を使い世界のコーヒー作りの手本となっています。いくつか例を上げますと、コーヒーの木は昔は円を書くように植えていましたが、セラードはすべての木が北北西方向に向けられて植えていること。(南半球は北が良い日当たり)
灌漑設備が整っていて、ある農園は半径450mのアームで水を散布する機械や、木一本、一本にパイプを通し必要な水や肥料を定期的に与える設備をコンピューターで管理している。

そして、一番驚いたのは、コーヒーの木の周りに雑草をびっしり生やしていることで、他の農園は木の周りはきれいに刈って手入れされていますが、このセラード地区の農園は雑草だらけです。理由は雑草により土の温度が3℃ぐらい下がり木がいきいきとする。花が咲いて3ヶ月ぐらいしたらこの雑草を刈り肥料にする。雑草に虫食い豆の原因の蛾の幼虫の天敵虫を飼って害虫から木を守る。これにより農薬の散布が劇的に減り、80年代の六十分の一に減り、なおかつ一番害のない弱い農薬を1回程度で済んでいることです。農薬にかんしては、スイスのシンジェンタと言う農薬会社と組んで、安全で効率の良い方法を採用していました。セラードのコーヒーの葉っぱは、緑が濃く木にびっしりと葉が付き、いきいきとしておりましたので、コーヒーの実に樹液がたっぷり伝わり、収穫量も多く、この樹液によりコーヒーが甘くなることが最近わかってきました。

以上のことからわかるように、すべておいしいコーヒーを作るためで、一斉に花を咲かせ一斉に赤い実にさせ、一気に収穫する。最先端のコーヒー作りでした。このセラードのコーヒーはアペラシオンの認定をワイン以外で世界で初めて認定されました。アペラシオンとは、原産地の意味で限定されたエリアしか認定されません。地域に特徴があり、商品の特性が気候、土壌によるものであり、コーヒーに明らかに特徴があり、農園がみな同じ栽培方法を採用しているなどのことが認められないとアペラシオンの認定は受けられません。申請から10年かかったそうです。
また、次回に乾燥方法や精製方法、カッピングについて書きます。

木と木の間にびっしりと植えられた雑草

雑草がなく、きれいに刈られている農園

長さ450mの水を散布する巨大アームで、24時間かけて360度回ります

地下から水を汲み上げてぐるりと、360度回って水を撒きます

樹上完熟豆です





2005年
9月28日(水)

朝晩はめっきり涼しくなり、コーヒーのおいしい季節となりました。
私、10月5日より10月16日までブラジルの農園視察に行ってきます。丁度、収穫時期でピラピティンガ農園の一番良い豆を6トン買い付ける予定です。早ければ、1月には販売致します。そこでお客様には、大変申し訳ございませんがメールの問い合わせ、掲示板の返事は17日以降となりますのでご了承ください。

9月23日に第一回の中級の焙煎教室を開催致しました。この教室は自分の焙煎レベルがどのくらいなのか、自分の煎ってる豆の味レベルはどのくらいか、今後どうすれば良いか、など一人一人の豆を拝見してみんなで味を見てその豆の長所、短所を試飲しながら説明して覚えて頂く、そういう教室です。6名の方が参加致しました。感じたことは、みなさん、とてもおいしいコーヒーを作っており、プロとしてやって行ける方もいらっしゃいましたし、コーヒーを的確に判断できる目と舌を持っていました。かなり内容の濃い教室になったと思います(下に写真があります)。
次回の中級コースは11月23日(祝日)、pm1:00を予定して
おります。








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